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ご飯を作る動物

 どうもこんばんはライネです。
 5月から始まった気候に関する話もこれにて終了ということで、
 次は、気候によって大きく左右される農業と食の話を見て行こうと思います。

 「はたらく魔王さま」において、あんなに優秀な真奥さんが
 エンテ・イスラ征服に失敗した理由は、人間の本質が理解できなかったからだそうです。

 では人間の本質とは何か、もちろん現実世界でも言えることですが、
 真奥さんの分析では「ご飯を食べること」なのだそうです。
 そういわれるとあの作品には、食事の風景が頻繁に出てくる気がします。

 私達は当たり前のようにご飯を食べるわけですが、
 そのご飯は自然に湧いて出るわけではありません。

 どこかのだれかが、汗を流してご飯の材料を作ってくれているのです。
 人は「ご飯を食べなくては生きていけない存在」であるゆえに、
 「一人では生きていけない存在」であり、それが異世界の魔王をもってしても、
 征服することのできない「集団の力」を生んだというわけです。


 もっとも、人間の最初から農業をしてきたというわけではないでしょう。
 それでもご飯を食べなくては生きていけないので、多くの野生動物と同じように、
 他の動物を狩ったり、自然の植物を食べたりしていたわけです。
 
 野生生物としてとても強いとは言えないヒトという動物は、
 やはりチームワークで生き延びていく必要がありました。


 その後、歴史的には今から1万年前くらいから農耕がはじまります。
 農耕というものは、畑を作って食べ物を育てるというもので、
 野生の動物を狩ったり、自然に生えている植物を食べたりすることとは、
 根本的な違いがあります。

 農耕によって安定的に食べ物が作れるようになり、
 食べ物を求めることに全力を尽くさなければならなかった頃に比べて、
 様々な文化が発達していったと言われています。

 というわけでこれからは、そんな農業について調べていきましょう。

「農家の常識は社会の非常識」のままでいいの?

 どうもこんばんはライネです。
 農業というものについて、取り扱った作品は多々ありますが、
 個人的には「もやしもん」と「銀の匙~Silver Spoon~」がおすすめです。

 ちなみに銀の匙の荒川弘さんは、御実家が農家と言うこともあって、
 アニメにもなった銀の匙の他に、「百姓貴族」という漫画も描いています。

 そんな百姓貴族の中で、「農家の常識は社会の非常識」という言葉が出てくるのですが、
 もしかすると、これはとんでもないことなのかもしれません。


 私は元々、農家の娘なので、農業はごく当たり前にある存在なのですが、
 統計によってばらつきはあつものの、日本で主に農業を行っている人は、
 だいたい300万人程度だそうです。

 日本の人口は大体1億2000万人で、
 その中には年齢的に労働者にならない子供なども含まれているため、
 分母に使うにはやや問題はありますが、3%程度ということになってしまいます。

 先の300万人という数字も細かい注釈があるものの、
 たった3%の人が日本人全員分のごはんを作っているわけではなく、
 カロリーベースというやや面倒な数字ではありますが、
 日本人全員のごはんのうち、60%は外国からの輸入品となっているようです。
 ※この辺に関しては後で詳しく話しますが、実際の割合はもう少し少ないハズです。



 そんな状況にあるので、もやしもんや銀の匙を通じて、農家の姿を見てみると、
 日本の農業はあまりいい意味ではなく、「何か特別な仕事」という感覚があります。
 むしろ、「普通ではない仕事」と言った方がいいのかもしれません。

 たしかに日本に来てから、ほとんど土をいじっていない私からすると、
 それでいいのかなと不安になるくらいに、ご飯の材料を確保することに対して、
 危機感を感じることがありません。

 ごくごく自然に、まるでどこかから湧いて出ているかのように、
 当たり前に食べ物はスーパーで手に入りますし、もっと言えば料理を作らなくても、
 コンビニやレストランで美味しいごはんが簡単に食べられるのです。

 
 もちろん、食べ物には対価を支払っているので、
 狩猟・採集の時代と同じという訳ではありませんが、
 日本で暮らしていると、食べ物を作っている人を意識することなくご飯が食べられるので、
 そういうことを忘れてしまいそうになります。


  
 これは、かなり発達した社会であることの証でもあると思います。
 じゃあ皆、今の仕事をやめて農業をやろうと言いたいわけでもありません。


 ただ、農業は誰もが必要としている、基本となる仕事です。
 当たり前のように食べ物が手に入るのは、どこかの誰かが農業をやってくれているおかげです。 

 日本の農業に関する漫画を通じて、農家の置かれた状況を知ると、
 あまりにそれが進んでしまった結果、他の仕事をしている人が、こっちのほうが偉いとか、
 農業なんて下っ端の仕事とか、勘違いしているように思えて怖いのです。

 どこかの誰かがやってくれているから、今、自分の仕事ができるということを、
 忘れがちになっているのではないかと不安に思います。
 
 
 「農家の常識は社会の非常識」

 ご飯を食べなくては生きていけない生物なのに、
 そのご飯がどうやって作られているのか、ほとんどの人はあまり知らない。
 だから、ちょっと農家の扱いが悪くても、誰も気にしない。

 農家の娘として、この言葉は皮肉に思えて仕方がありません。
 あまりに当たり前に、おいしいものが苦労せず手に入るゆえの問題ですね。

日本の農業は自給的?

 どうもこんばんはライネです。

 昨日は農業の重要性について、ちょっと我を忘れて説明してしまいましたが、
 今日からはそんな農業について詳しく見て行こうと思います。

 多くの日本人が農作物を作らない仕事をしているように、
 現在では、「ご飯をつくる人」と「その他の仕事をして稼いだお金でご飯を買う人」
 の2種類に分かれているようです。

 もちろん、日本の農家さんでも、自分で食べるものを全て自分で作っているかと言えば、
 決してそういう訳ではないと思いますが、初期の頃の農業というものは、
 自分で食べるものは自分で作る、つまり自給的な農業だったわけです。


 現在では、世界中で様々な農業が行われているわけですが、
 これについては、気候の時にケッペンさんが分類したように、
 農業地域区分というものを「ホイットルセー」さんが行っています。

 ホイットルセーさんは、アメリカの地理学者さんで、
 フルネームは「ダウエント・ステイントロップ・ホイットルセー」と言います。


 彼の分類では、農業は大きく2つに分類されるようです。
 それが、昔ながらの自給目的で行われる「自給的農業」と、
 農作物を販売することを目的で行われる「商業的農業」です。

 ただし、この分類が絶対的に自給的・商業的で分かれているかと言われると、
 少なくとも現在では自給的農業に分類される農業であっても、
 日本のように、作った農作物を売って生計を立てている場合もありますし、
 商業的農業に分類される農業であっても、もちろん作ったものを自分で食べることはあります。


 なので、この辺はそういう風に分類されているけれど、
 全ての地域で絶対的にそういう目的で作られているわけではないと言うことを、
 頭の片隅に置いておくといいと思います。

 この辺に関しては、ご飯がないと生きていけないのと同じくらい、
 現代社会ではお金が無いと生きていけないという側面があるわけです。

 電気代・水道代から、TVを見たり、洋服を買ったりと、
 外界と隔絶した原始的な生活をしていない限り、あくまでも「的」なのです。


 なお、商業的農業の中には、海外との貿易を視野に大規模に行われているものもありまして、
 そういう農業は「企業的農業」とも呼ばれています。

自給的農業のいろいろ

 どうもこんばんはライネです。

 さてホイットルセーさんが分類した農業について見て行きましょう。
 というわけで、今日は自給的農業です。

 自給的農業に分類されるものは、これも諸説あるのですが、
 「遊牧」、「焼畑農業」、「集約的稲作農業」、「集約的畑作農業」の4つ
 を押さえておけば大丈夫だと思います。

 実はこの他にも細かく言うと、オアシス農業、原始的定着農業など、
 他の農業に分類したり、独立したものとして扱ったりするものがあるのですが、
 ひとまず上の4つを基本にしておきましょう。


 それぞれの農業を細かく見て行くといろいろ説明しなくてはならないので、
 ひとまず今日は、大雑把にこの辺の農業を捉えたいと思います。


 「遊牧」
  …家畜のエサとなる草を求めて、家畜とともに移動する農業。

 「焼畑農業」
  …主に熱帯雨林などで行われる農業で、森林を焼いて農地をつくり、
   農地が荒れてきたら他の場所へ移動する農業。

 「集約的稲作農業」
  …主に自給目的で行われる稲作農業で、日本で行われている稲作はこれ。

 「集約的畑作農業」
  …主に自給目的で行われる畑作農業。


 ちなみに「集約的」という言葉なのですがこれはまた後で詳しく説明しますが、
 とりあえず簡単に今説明すると、「皆で力を合わせて丁寧に」と置き換えてもらえば、
 大体間違っていないと思います。

遊牧・放牧・牧畜・畜産の難しい関係

 どうもこんばんはライネです。
 今日は遊牧について調べてみました。

 そもそも遊牧について説明する前に、「牧畜(ぼくちく)」という言葉を説明しなくてはいけません。
 牧畜とは、家畜を飼育して乳や肉を得ること全般を示す言葉なのだそうです。

 遊牧は広い意味では牧畜に含まれるのですが、
 遊牧の場合、「家畜とともに移動する」ライフスタイルそのものを指すようです。



 さて、ここで難しい疑問が湧きました。
 牧畜とはどこまでを示す言葉なのかという謎です。
 乳や肉を取ると限定した場合、毛皮を取る目的で飼育することは牧畜と言わないのでしょうか?
 
 どうやら、似た言葉として「畜産(ちくさん)」という言葉があり、
 毛皮を取る場合はこちらで呼ばれるようですね。

 
 そしてこの畜産と牧畜の違いなのですが、どうやら牧畜の中には
 「放牧(ほうぼく)」という概念がふくまれているようです。

 放牧というのは、「本来群れをつくるような家畜を放し飼いにする」ことで、
 畜産という言葉にはこの放牧が含まれていない、つまりもっと自由な概念のようです。


 まとめると 
  畜産:家畜を飼育すること全般。…仕事そのもの
  牧畜:放牧(群れを成す動物の放し飼い)をすること。…生き方そものの
  遊牧:移動する牧畜

 こんな感じでしょうか?


 このへんは研究者によって定義が異なっているらしいので、詳しいことは何とも言えません。
 ただ、例えば、競走馬の飼育や、販売用ペットの飼育、毛皮を取る目的での家畜の飼育など、
 畜産の中には、他の生き物との関係の中に商業的な性格が強く見えるような気がします。


 いじわるななかなか奥の深い話ですね。
プロフィール

ライネ

Author:ライネ
ライネと申します。
先生の家に居候するラザフォード人です。
現在この世界のことを勉強中。
リンクとかもろもろ含めて商業的利用以外ならご自由にどうぞ。面白そうな企画には飛び乗ります。

合言葉は「真面目な事を不真面目に!」
記事の真偽は自己責任でお願いします。

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