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散村


 どうもこんばんはライネです。
 今日は散村について見ていきましょう。

散村


 昨日も登場した、家屋がバラバラに立っているような集落を散村というわけですが、
 この手の集落は自分の耕す畑が自分の家のすぐ近くに持てるというメリットがあるようです。

 ただ、こんなに家が離れていると、お隣に異変があった時に気が付かないので、
 治安が良いところでないと発達しにくいそうです。
 なお、日本国内では、富山県の砺波平野が有名ですが、
 アメリカなどわりと世界中で見られる形態なのだそうです。



 ちなみにアメリカに見られるはこんな感じです。
アメリカ散村


 家と家の間隔が広くて見にくいので、家の位置に白い点を打ってみました。
 アメリカの中央部あたりにこういう散村がずっと広がっています。

 実はこれはアメリカの「タウンシップ制」というものが切っ掛けで誕生したらしいのですが、
 明日はこの制度について少し詳しく見て行こうと思います。

タウンシップって何なのよ

 どうもこんばんはライネです。
 今日はアメリカの中央部で散村が多く見られる理由について見ていきます。

 まず、ことの始まりは1785年にアメリカで「公有地条例」というものが作られました。
 この時代のアメリカのイメージは先日見たバック・トゥ・ザ・ヒューチャー3くらいなのですが、
 BTTF3で訪れたのは1885年ですので、あれの丁度100年前ですね。


 ちなみにアメリカ合衆国は1775年に独立戦争を初めて、1783年に独立。
 1789年にやっとこ憲法ができてジョージワシントンさんが初代大統領になるので、
 1785年と言うのは、アメリカという国ができて本当にすぐの話のようです。


 そして独立当初のアメリカは、国と言っていいか微妙なところだったようです。
 現在もアメリカは「連邦制」で、全50州がまずあって、その上で外交なんかを国に任せている国です。
 独立当初のアメリカという国は、独立と言う目的の為にまとまった「13個の植民地(州)の寄せ集め軍団」
 のような感じだったようです。

 つまり、国というものの権限は今よりもさらに低くて、自前の運営資金も怪しい状況だったようです。
 そういう状況だったので、アメリカの独立戦争で手に入れた広い土地を小分けにして、
 欲しい人に売ってしまおうということで、公有地条例が決められたのだそうです。



 さて、公有地を売る為にも、土地をきちんと測量しないといけません。
 こうして行われた測量を「公有地測量システム(PLSS)」というそうです。

 やり方は、適当な広い土地に対して縦線と横線をとりあえず引きます。

タウンシップ1


 そしてその線から平行に6マイル間隔で縦横に線を引いていきます。
 このときの縦横の線に区切られた四角い土地を、「タウンシップ」と呼んでいるようです。

タウンシップ2


 さらに今度はタウンシップを36等分します。
 縦横の長さが6マイル感覚だったので、それぞれ6等分すれば36分割できますね。
 この「1/36タウンシップ」を、「セクション」と呼んでいるようです。

タウンシップ3


 さらにセクションを4等分した「クォーターセクション」まで分割されたようです。

タウンシップ4

 ちなみに、通常の1マイル(国際マイル)は1609.344mなのですが、
 公有地測量システムで使われた1マイル(アメリカ測量マイル)は約1609.347mと、
 3mmだけ長くなっているそうです。

アメリカの散村

 どうもこんばんはライネです。

 昨日はアメリカが独立した時に手に入れた広い公有地を、
 きちんと測量してタウンシップやセクションという単位の土地に
 分割したところまで説明しました。


 一番小さい基準となるのが1/4セクションで、
 1セクションが1マイル四方だったので、これは0.5マイル四方の土地になります。

セクション

 そして、アメリカの公有地測量システムで使われた1マイルは、
 世界で使われている一般的なマイルと3mm違うという話でしたが、
 ここでは細かい数字は省略して、1マイル1600mで考えていきましょう。


 ということは1/4セクションは800m四方の土地となります。
 面積の比較によく使われる東京ドームで比較してみるとこんな具合の広さです。

800m四方とは


 そして、タウンシップ制がはじまった1785年からおよそ80年後、
 それこそ、BTTF3で訪れた時代のちょっと前に「ホームステッド法」という法律が作られます。

 もともとタウンシップ制は販売するために行われた土地の分け方だったわけですが、
 この法律によって、そこで5年間生活して農業を行えば1/4セクションは無料で貰えるようになりました。
 こうしてアメリカの広い土地で農業を行う人がたくさん現れ、アメリカがどんどん開拓されていった訳です。

 
 さて、話のポイントとしては散村です。
 ようするに、タウンシップ制にホームステッド法をプラスしたことで、アメリカの中央部の農村地帯には、
 最低でも1/4セクションの土地をもった農家さんがたくさん生まれたわけです。


 東京ドームがまるまる5,6個は余裕で入る土地に家が一軒。
 まさにアメリカの散村はこうして作られていったということです。

塊村、列村、円村


 どうもこんばんはライネです。

 今日は散村以外の集落の形について見て行こうと思います。
 散村に対して、家が一カ所に集まっているものを「集村(しゅうそん)」と呼び、
 集村は、その形から大きく3つに分けているようです。

集落形態



 「塊村(かいそん)」とは、一番典型的な、というか特に特徴のない集村で、
 決まった形は無いけれど、ひとまとまりになっている集落を呼ぶようです。

 例えば、水の湧くところのように、何かの目的があって、
 その周りにふわふわと家が並んで、何かの形になったのが塊村というわけですが、
 たぶんあんまり深いことを考えなくても勝手に塊村になるので、特筆することはありません。


 むしろ、特別なケースで見られるのがその次の列村や円村です。
 「列村(れっそん)」とは、直線上にのびた道路や水路を利用するために、
 集落もそのかたちに合わせて列状に並んだものを呼ぶようです。


 なお、入門書だと、列村はさらに「路村(ろそん)」と「街村(がいそん)」に分かれると、
 書かれていたり、そもそも路村と街村は列村とはまた別のものとして書かれているのですが、
 集落の形として列村と路村と街村に分けるのはいかがな物かと思います。

 まだ路村と街村の話をしていないのに、こんなことを言ってもはじまらないのですが、
 何か学術上の難しい話があるのだとしても、形を理解するうえでは列村だけで十分だと思います。
 オッカムの剃刀を便利に使って省エネしていきましょう。



 最後に「円村(えんそん)」ですが、これはきちんとした考えがある塊村とでもいいましょうか。
 適当に家を並べるのではなく、一カ所に集中して家が並ぶのが円村です。

 散村の対極にあるというか、一カ所に集中することで防御力を高めているわけです。
 防衛線を張るにしても、同じ面積だったら四角より円のほうが短くて済むという理屈ですね。

四角と円

路村と街村


 どうもこんばんはライネです。

 今日は「路村(ろそん)」と「街村(がいそん)」の違いについて考えて行こうと思います。
 これらは昨日登場した「列村(れっそん)」の更に細かい分類ということですが、
 どのような違いがあるのでしょうか。



 まずは、この2つの集落に関する説明文を抜き出してみます。

 「路村」
 ・道路や水路に沿った列状の集落。民家の密集度は低い。(とうほう「新編地理資料」)
 ・主要道路や開拓路に沿って家屋が列状に並んでいる。
  家屋の後ろに耕地をもつ例が多い。(帝国書院「世界の諸地域NOW」)


 「街村」
 ・主要街道に沿った列状の集落。民家の密集度が高く、商業的機能が強くなる。
  道路への依存度も高い(とうほう「新編地理資料」)
 ・路村よりも道路との結びつきが強く、商店や宿屋などが多くなる。
  耕地はないか、あっても少ない。(帝国書院「世界の諸地域NOW」)



 なんとなくピンとくるのは、路村よりも街村の方が大きそうですね。
 やっぱり、この2つの集落の違いは「形に関するものではない」気がしてなりません。

 私の感覚で分類すると、路村も街村も、道路に面することで列状になるけれど、
 路村は単純に道路に面している家が多い集落で、
 街村は道路というより、道路を通る人に面している家が多い集落なのではないでしょうか?

路村と街村
 

 街村は路村よりも流行り廃りが大きいというか、
 イメージとしては温泉町なんかで、メインストリート沿いに旅館や御飯屋さん、
 さらにゲーム屋さんとか、お土産屋さんがならんでいる感覚で、
 より多くの人が通る道に面した街村はどんどん大きく成長していくんじゃないかと思います。

 でも、あんまり遠くまでお店が並んでいても不便なので、
 ある程度道路に面した街村は、そのあと道路に沿った脇道沿いにもお店が出来たりして、
 だんだんと列状というより塊状に変化していくのではないでしょうか。

 都合よく、街が発達しない程度のお客さんしか来ない様な街村は現在も列状なのだと思いますが、
 おそらくお客さんがたくさん来るような街村は、始まりは列状だったかも知れませんが、
 現在では形だけ見れば塊村の方に近くなっているケースも多いような気がします。


 つまるところ、地図上で形を見ただけでは、街村は列村かどうか分からなくなっているか、
 路村と区別がつかないかのどちらかなのではないかと思うのです。
 どちらにしても「集落の形」という話で2つを区別するのはいかがなものかというのが私の主張です。
 
プロフィール

ライネ

Author:ライネ
ライネと申します。
先生の家に居候するラザフォード人です。
現在この世界のことを勉強中。
リンクとかもろもろ含めて商業的利用以外ならご自由にどうぞ。面白そうな企画には飛び乗ります。

合言葉は「真面目な事を不真面目に!」
記事の真偽は自己責任でお願いします。

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