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魔女の宅急便・なぜキキは魔法が使えなくなったのか



 はい、どうもこんばんはライネです。
 まとめ回を経ていきなりですが、前々回先送りにしたテーマ。

 「魔女の宅急便において、なぜキキは魔法を使えなくなってしまったのか」
 について考察したいと思います。


 まずは自分で考えたいという方は、次に魔女の宅急便が放送される前と後に
 このページのリンクを張るので、それまで考えてみてください。

・・・・・

 それでは、まずはキキ本人について考えてみます。
 物語の開始当初「13歳になったら修行に出る」といわれているように子供です。

 しかも、誰もがそうだったと願わずにはいられない、むず痒いほど見事なまでに、
 「自分が世界の中心である」と信じて疑うことすら知らず、
 「自分はもう立派な大人である」と考えているクソガキ子供です。

 案外それはとても幸せなことで、
 周囲に分別をわきまえた大人がたくさんいて、子供である自分をちゃんと子供として扱ってくれたため、
 疑うことなんて微塵もない環境で育ててもらえたのでしょう。

・・・・・

 あ、小難しく考えてみると、楽しめないうえに、
 もちろんこれがジブリさんの公式見解なんてものでもなく、壮大な妄想のようなものなので、
 あまり気に留めずに、「またバカなこと言ってやがる」と思いながら読んでいただけると幸いです。

・・・・・  
 
 ところが、修行のために他の街へと旅立つことで、
 否応なしにそんな環境から飛び出さなければいけなくなってしまいます。
 ついでに自分の力で生活するという現実的な問題にも直面します。

 いきなり上下関係やら、大人やら、社会やらへの対応をしなくてはならず、
 見知らぬ街以上に、それまでの自分がまったく通用しません。

 面倒くさいことに「自分はもう立派な大人」である自覚がある彼女としては、
 そんな無理難題に直面したとしても、自称大人なので自分で解決しないといけないわけです。


 親切なパン屋のオソノさんの好意で、とりあえず当面の生活はなんとかなるようになり、
 大人である自分の特技を駆使して運送業を営むことにします。

 ですが、その運送業も順風満帆とはいきません。
 失敗したり、うまく大人な振る舞いができたと思っても、へこむことを言われたり、
 さらにはプライベートもうまくいかずに落ち込みます。
 (ちなみに原作では基本的にダウナー系ヒロインなのだそうです) 


 漫画バーテンダーのなかで、人は1日に3度嫌なことがあると心が折れると語られていましたが、
 理想の大人から受けた仕事は最終的に挽回するものの、失敗する。
 ほぼ完璧な大人としてふるまえた仕事で、自分のせいではないとしてもクレームを受ける。
 誘われたパーティに参加できなかったうえに風邪をひく。

 と、数え役満でボッキリ折れて、自分は思ってたほど大人じゃないし、
 もしかしたら結構なダメ人間なんじゃないかと疑い始めるわけです。

・・・・・

 ここまで書いておいて、知ったかぶりで他人の著作物について語る自分は、
 褒められたもんじゃない気がしてきましたが、今回はこういう話だと思って勘弁してください。
 ジブリさんに「んなこと考えて作ったわけじゃねーよ」と言われたらどうしましょう。

・・・・・

 とはいえ、オソノさんの計らいでトンボと接することで
 大人ぶることも忘れて、素直なキキに戻れたわけです。

 ですが、仕事をしている立派な大人である自分から見れば、
 同年代だけれども遊びまわっているだけの子供にしか見えない奴らとつるむ気になれない。
 と、カッコつけつつ、彼らと仲良くなるために自分から踏み出す勇気を持てませんでした。
 結果的に飛行船を見に行くことを断って家に帰ってしまいます。



・・・・・

 
 このあたりがおそらく私の想定する魔法を使えなくなった理由で、
 自分は大人だと思ってたけど、仕事はうまくいかないし、
 くだらないことに腹を立てる嫌な奴で友達も作れないと自覚するわけです。

 「せっかく友達ができたのに、急に憎らしくなっちゃう。
 素直で明るいキキはどこかへ行っちゃったみたい」

 と語っているように、現実の自分と理想の自分のギャップにぶつかるわけですね。
 端的に言えば、自分に嘘をつくこと、素直になれないこと。
 そして、なにより「そんな自分のことが信じられなくなってしまうこと」
 これが、魔法を使えなくなった理由であるというのが私の考えです。


・・・・・

 さて、一応の結論を導いたあたりで、予想しうる反論をあらかじめ片付けておきましょう。
 どうやら、魔法が使えなくなった理由として、
 「キキが初潮を迎えたから」と主張する人が一定数いるようです。

 もしそうだとしたら、一度素直なキキを見せる必要性がなく、
 そもそも風邪をひいて寝込んでいる時でも、その直後でもジジと会話しているので、
 身体的な好不調は関係ないと思います。

 また、風邪の描写があるのに、それらしい描写は一切なく、
 魔法が使えなくなったことに対して、キキ本人に思い当たるフシがなさそうなのです。
 自分の体のことが原因ならさすがに少しは予想がつくでしょうに。

 百歩譲って「顔が真っ青」が貧血の描写だと考察することができなくもありませんが、
 自分が大人として認められるための仕事、
 その仕事をするための能力である魔法が使えなくなってしまい、
 夜に泣きながらホウキを作っている姿からは、とてもそうは思えません。



 「初恋、そして他の女子に浮かれるトンボにヤキモチを焼いた」
 というのもなんというか少し物足りないと思います。

 ある程度は、自分に嘘をつくこと、素直になれないことの中に
 ヤキモチも入っていると思うのですが、
 トンボとはパーティに誘われて、ちょっと話して一緒に自転車に乗っただけです。
 仲良くなったのは事実ですが、こんなのでホイホイ惚れるような女でしょうか。

 むしろパーティに行けていたら、知らない街で友達ができるかもと思っていたのに行けず、
 せっかく友達を作るチャンスだったのに、都会の垢ぬけたグループに入れず、
 私よりも昔からの友達のほうがいいでしょ、私は仕事があるから帰る。
 と、自分に嘘をついて逃げてしまったことのほうが大きいと思います。

 仕事をするしか自分の価値を証明できなくなってしまったのに、飛べなくなってしまった。
 そんな時に飛行船に乗って空を飛ぶトンボを見たうえに、
 電話先でハシャがれたら誰でも辛く当たるでしょ?


・・・・・
 
 そして、理想にしていた大人の女性からではなく、
 素直な自分を出せる身近な大人から仕事へのかかわり方を教わったり、
 自分を評価してくれるお婆さんとの再会を経て、
 友達の危機を前に居てもたってもいられなくなり、現場に駆け付けます。

 もしかしたら自分はダメ人間かもしれないとか、この町でやっていけるのかとか、
 細かいことはひとまず忘れて、ただ純粋にトンボを助けたいとだけしか考えずに空を飛びます。
 ようするに、くよくよ考えなかったわけですね。

 昔は何も考えなくても飛べたと言っているので、ある意味その通りなのかもしれません。
 エンディングでは再び自由に空を飛んでいるので、
 トンボを助けたことで大勢の人に認められるようになり、自信が持てるようになったのでしょう。

 

 というわけで、あれこれと長く語ってしまいましたが、
 「自分を信じること」ができるかできないか、
 というのが、この作品での魔法の発動条件なのではないかと思います。
 いかがでしょうか。


 
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プロフィール

ライネ

Author:ライネ
ライネと申します。
先生の家に居候するラザフォード人です。
現在この世界のことを勉強中。
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合言葉は「真面目な事を不真面目に!」
記事の真偽は自己責任でお願いします。

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